ツボケアのほほんとブログ

昔ながらの医術のセルフケアと気楽なネタを書き留めているブログです。

『卒業』

卒業を控えた大学四年の秋、一人の女子大生が死んだ。親友・相原沙都子は仲間とともに残された日記帳から真相を探っていく。鍵のかかった下宿先での死は自殺か、他殺か。彼女が抱えていた誰にも打ち明けられない秘密とは何だったのか。そして、第二の事件が起こる。刑事になる前の加賀恭一郎、初登場作。

東野圭吾 著『卒業』背表紙より

仕事帰りの南武線の中で読み終わった。

ラストシーンは頭の後ろがしびれた。

そしてふと、
妻はなんでわたしと結婚してくれたのだろうか、
と考えてしまった。

もしも今も一人だったら、
わたしはなんにも変わらないままで
イタイだけのおっちゃんだったろう。

わたしは妻と結婚し共に暮らすようになって、
自分以外の人の価値観を染み込ませてもらい、
多少なりともまともな方向に変わってきたと思う。

まだまだおかしなところは沢山あるし
周りの人たちにご迷惑をおかけしています。

でもそれに気がついて
どう舵取りしたら良いのかが、
最近はなんとなく判る時がある。

『妻ならこの行為にどんなツッコミ入れるだろう…』

それを想像することで
イイ意味で自分らしからぬ
選択ができるのだ。

独りでどれだけ想像の翼を広げても
自分の価値観の枠は壊せなかった、
と昔の自分を振り返ってそう思う。

寂しい日々だった。

独りが寂しいと言っているのではなく、
独りで必死に人生を楽しくしようともがいていた、
その日々を今になって思えば寂しかったのだろうと思う。

寂しさすべてがみたされたわけではないけれど、
必死にならんでも楽しさはそこかしこに在る、
それを教えてくれた妻と共に今は生きている。

その妻はわたしと結婚して
どんなことを想っているだろうか。

何故妻はわたしと結婚してくれたのだろうか。

Why done it?

何故そうしたのか、
と動機を探ることで
人というものの深奥を垣間見せていく、
東野圭吾先生の物語。