ツボケアのほほんとブログ

昔ながらの医術のセルフケアと気楽なネタを書き留めているブログです。

【データ】足の少陽胆経

流注(るちゅう)ーメインルート案内

胆、足の少陽の脈は鋭眥(瞳子どうしりょう)に起こり、(頷厭がんえん懸顱けんろ懸釐けんり曲鬢きょくびん率谷そっこく天衝てんしょう)にいたり、耳後(浮白ふはく竅陰きょういん完骨かんこつ角孫かくそん本神ほんじん・陽白・臨泣りんきゅう目窓もくそう正営しょうえい承霊しょうれい・脳空・風池)に下り、頸を循って手の少陽の前に行き、肩上(肩井)に至って却って手の少陽に交わり出て(大椎・大杼だいじょ天髎てんりょう秉風へいふうを経て)缺盆けつぼんに入る。
その支は耳後より(翳風えいふうを経て)耳中に入り、出て耳前に走り(聴会ちょうえ聴宮ちょうきゅうを経て)目の鋭眥(瞳子髎)の後に至る。
その支は鋭眥(瞳子髎)に別れて大迎を下り、手の少陽に(目の下で)合し、セツ(眼窩下縁)にいたり、下って頬車きょうしゃに加わり、頸を下って缺盆に合す、以て胸中を下り、膈を貫き肝(期門)をまとい、胆(日月じつげつ)に属し、脇裏(章門)を循り、気街(気衝)に出て毛際を循り、横に髀厭の中(環跳)に入る。

その直なるものは缺盆より腋を下り(淵腋えんえき輒筋ちょうきん)胸を循り、季脇(京門・帯脈・五枢・維道・居髎きょりょう)を過ぎり(居髎から上髎・中髎・長強に合して)下って髀厭の中に合す、以て髀陽(中瀆ちゅうとく・陽関)を循り、膝の外廉(陽陵泉)に出て外補骨の前に下る(陽交・外丘がいきゅう光明こうめい)、直ちに下って絶骨の端(陽輔・懸鐘けんしょう)にいたり、下って外踝の前(丘墟きゅうきょ)出て足の跗上(臨泣・地五会ちごえ)を循り、小指の次の指の間(侠谿きょうけい竅陰きょういん)に入る。
その支は跗上に別れて大指の間に入り、大指の岐骨の内を循りその端に出て、環って爪甲を貫き三毛(大敦だいとん)に出る。

穴歌(けつか)ー簡易版ルート案内

少陽胆の経、瞳子髎 四十三穴、行く事?々たり、聴会 客主 頷厭 に集る、懸顱 懸釐 曲鬢 ?し、率谷 天衝 浮白 に次ぐ、竅陰 完骨 本神 企つ、陽白 臨泣 目窓 を開く、正営 承霊 及び 脳空、風池 肩井 淵液 長し、輒筋 日月 京門 に当る、帯脈 五枢 維道 に続く、居リョウ 環跳 中瀆 に下る、陽関 陽陵 復た 陽交、外丘 光明 陽輔 高し、懸鐘 丘墟 足の臨泣、地五会 侠谿 竅陰 ?る。

別絡( べつらく )ー乗り継ぎルート案内

①光明から足厥陰肝経へ
②光明から跗上(足背)へ

※病症…実:足が冷えあがる/虚:足が萎え歩けず・座ったままで立てない

経別(けいべつ)ーサブルート案内

足の少陽の正は髀をめぐり、毛際に入って厥陰に合す。別は季脇の間に入り、胸裏を循って胆に属し、散じて肝に上り、心を貫き、以て上って咽を挟み、頤頷の中に出て面に散じ、目系にかかり少陽と外眥に合す。

経筋(けいきん)ー筋肉専用ルート案内

足の少陽の筋は小指の次の指に起こり、上って外踝に結し、上って脛の外廉を循り、膝の外廉に結す。
その支は(膝の外廉から)別れて外輔骨に起こり、上って髀に走り、前なるとのは伏兎の上に結し、後なるものは尻に結す。

その直なるものは上って季脇に乗じ、上って腋前廉に走り膺乳(胸の乳部)に繋がり缺盆に結す。

その直なるもの(腋からまっすぐに行くもの)は上って腋に出て缺盆を貫き、太陽の前に出て耳後を循り、額角に上り、巓上に交わり、下って頷に走り、上って顴骨の部に結す。
その支は(顴骨の部から別れて)目眥に結し、外維(目の外の繋がり)となる。

※病候…循行部位すべてが痙攣し、舌がもつれる。

主治( しゅち )ー有効な症状

  • 現代医学的には神経系(神経科・精神科)疾患:頭痛・運動失調・筋肉の痙攣)/眼疾患/耳疾患
  • 東洋医学的には
    • 是動病(≒軽症)⇒口が苦い/よくため息をつく/側胸部が痛んで寝返りができない/ひどくなると顔色がくすみカサカサした艶がない/足の外側のほてり
    • 所生病(≒重症)⇒汗が出る/経脈走行上(頭角から額・目尻・鎖骨上窩・腋窩)の痛み/頸の腫脹/胆経の経脈にある関節の痛み/第四趾の麻痺

ケアのヒント

  • 実:肝虚・肝熱などでおこる・左関上に軽く指をおいただけで脈がわかる⇒陽交・外丘・絶骨の瀉(上記の症状かつ全体の脈状が強い場合)
  • 虚:脾や肝が虚して起こる・脈は全体に弱で細が多い・冷えが中心・気力がなくなる⇒陽輔・光明・丘墟・足の臨泣などの補

 備考

  • 三焦経と同じ少陽経として外側を巡る
  • 側頭部の穴は三焦経諸穴と共に不眠・頭痛・目耳の疾患に使用→不眠(側頭部の皮内鍼)・小児の癇の虫り⇔下肢(臨泣など)の治療も多い
  • 肩こり必須:局所より経絡全体のひきつりの除去を!
  • 腹部の穴は腹診部位として重要…またこの周囲の穴は腹部疾患や腰痛にも関連
  • 大腿・下肢のこりやひきつりが多い:肝虚熱証は必ず万能アリ⇔必ずしも実でない
  • 足臨泣・丘墟・陽輔・風市:圧痛出やすい(肝虚・肝実にかかわらず)
  • 寒熱を受けやすいためいずれの証でも反応がでやすい→治療すると内臓の働き安定しやすい

WHOの表記は Gallbladder Meridian